素晴らしい世界

世の中で良いと思ったことを

小説

舟を編む

ようやくですが。ずっと気になっていた本で、多分間違いなく面白いだろうから逆に読んでいなかったりして。 間違いなかったです。 辞書。当たり前だけど作っている方がいて。そのための仕事があって。載せる言葉、説明、装丁、そして紙も。いろんなところせ…

六人の嘘つきな大学生

おおー 就職活動の面接だけで本当に優秀な学生がピックアップできるのかという課題を取り扱い、でも人って一面じゃないよね、という真理というか救いにも迫ってくる。 褒められた一面だけじゃないから、での人に優しくしたと思われる一面もあったりするから…

八本目の槍

かっこよすぎて。 佐吉、石田三成という人物を賤ヶ岳七本槍それぞれの目線から表してゆく。本能寺、賤ヶ岳、小牧長久手、半島、関ヶ原、大坂の陣とそれぞれのシーンでの関わり。兵站や内政の重要性と武将としての才覚。そして家康の強大さ。 家康に対して単…

正欲

ダイバーシティとかそういう正義へのモヤっとした気持ちを理解するのに大切な作品でした。朝井リョウ先生の言語化は本当にすごいです。 他者を尊重すること、勝手に理解した気にならないこと 主語を大きくしないこと、自分と他人が違うと認識すること そうい…

臨床の砦

コロナ禍での市中病院の戦いを描いた作品です。診療をされながら描き上げたということ、本当に頭が下がるしかない思いです。 未知の感染症に対する恐怖と手探りの対応。それでも、医学が進んできたように、情報を交換し合って対応力を高めていったということ…

高校事変13

新章開幕です。 結衣が高校を卒業して、今度は凛香と瑠那の物語。瑠那の能力は結衣以上かもしれないですね。二人の関係も描かれてゆくのでしょう。 そして何とハスミン登場wハスミン出てきちゃまずいだろ。面白すぎる。もう完全にあのキャラクターのイメージ…

風は西から

働くということ。 多くの感想を書くのは避けたいと思いますが、多くの方がこれを読んでくれると良いな、と真に感じました。 明日もまた生きてゆくために。 逃げることができるように。 他者への敬意を忘れないために。

本を守ろうとする猫の話

何という美しい物語なのでしょう。 登場人物みんな優しい。読んだ本はみんな宝物になるのです。古い物語、そんなにたくさんは読んでいないですが。例えば十五少年漂流記、例えば大草原の小さな家、大好きな物語はたくさんあって。これからも生み出されてゆく…

発注いただきました

朝井リョウ先生の連作。いろいろな企業からの依頼と作品と感想戦。なんて贅沢な企画なのでしょう。ビールやウィスキー、食品、ファッション、色々なものが文章を通してPRされてゆく。こういうプロモーション良いなあ、、。なんか方法ないかなー。 でもこれ、…

魔女たちは眠りを守る

街のどこかにいる、人とは違う時間で生きている魔女たち。黒猫を連れているあたり、どうしてもイメージはキキとジジになります。魔女たちは時々人や人の心を助けてくれる。 魔女も物語を読むのだな、と思ったり、どこに行けば会えるのだろう、と思ったり。 …

14歳の水平線

14歳かー。 キャンプで会って、最初仲違いするけど打ち解けて。普段知らないからこそ、そういう関係になれて。そして普段の周囲とも実はうまくやっていく方法があるんじゃないかと気付くのかなー、なんて。自分しか見えないと、周りは何もしてくれないって気…

ののはな通信

鮮明すぎるというものです。三浦しおん先生の著作を辻村深月先生が解説しているのです。絶対名作です。 さて、昭和から始まり、311くらいまで続くののはなの文字によるコミュニケーション。かわいいのと恥ずかしいのと共感と発見と、いろいろ思いすぎて。で…

ツナグ 想い人の心得

前作をだいぶ忘れているのがとても不覚。なんという想像力でしょう。一度だけ亡くなった人に会える、という設定を違和感なく描き、リアルワールドにも繋げてくると言いますか。大切に想い、想われるというのがどういうことか、そのために日々を後悔なく生き…

アナウンサー辞めます

広島ローカル局のアナウンサーが21世紀枠でカープに入団するお話。著者の方、アナウンサーなのですね。凄すぎ。 テレビとラジオとネットと。楽しめる媒体増えた分、ユーザーはありがたいけど、作る側は競争が大変なのだろうな、と。DAZNかな、という企業も出…

かがみの孤城

最っ高。 内容に触れています。 まず原作小説が素晴らしいという前提がありまして。小説のアニメ化では一番くらいに良かったです。もちろんカットされた要素はあって、スーパーの話とか小さな世界とかは触れられていないのだけど、映像化することでそれぞれ…

傲慢と善良

登場人物にいろいろ思うところはありますが。 というような気分になるというのが本作の素晴らしいところなのではと思うのです。 辻村深月先生著、朝井リョウ先生が解説と帯で勧めているので間違いなかった。そこまで描かなくても、、、とういうことがたくさ…

チーム・オベリベリ

明治時代、北海道帯広エリアを開拓した家族のお話。晩成社という企業など、実話ベースなのですね。 あまりにも過酷な環境のなかで迷いながら強く生きてゆく人々。女性の視点から描いているところなど、北海道版「大草原の小さな家」のような。乃南アサ先生の…

スピンモンスター

螺旋プロジェクト続きます。ゴールデンスランバーを思わせるような逃走劇です。近未来の描写がリアルすぎて。シーソーモンスターとスピンモンスターのちょうど間が現代というか。数十年前後の感覚がもうひたすら実感できる感じなのです。その間の現代のパー…

シーソーモンスター

螺旋プロジェクト2作目(途中?) リアルSPY×FAMILY。結構なネタバレ含みます。 さすが伊坂幸太郎先生の作品です。絶対面白いです。スパイが好きすぎます。病院の病みに気づいてしまうMRと、その妻と姑の諍い。一人称が変わってゆくことを含め軽快に話は進行し…

死にがいを求めて生きているの

すごいタイトル。文庫化ということで「螺旋プロジェクト」を初めて知りました。すごいですこれ。壮大すぎて。しかも半数以上は初めて触れる作家さんなので。楽しみすぎです。 一作目ということで本作を読みましたが!朝井リョウ先生が群像劇を書いたら!それ…