素晴らしい世界

世の中で良いと思ったことを

すずめの戸締まり

良すぎました。以下内容に触れます。

 

 

まずイスかわいすぎ。あと身体能力高すぎ。「イスに馴染んできた」って言いながらジェットコースターのレール飛び移るとか。でも馴染んじゃまずくない?とか思いながら。要石の役割をダイジンから押し付けられて?いたのはなんか悲しい。

なんとなくですがダイジンは気まぐれな神様的な存在で、要石の役目も意味も分かってるんだけど、すずめが要石を抜いてくれたから嬉しくなって少しはしゃいじゃっただけ、みたいな。かわいくて悲しい存在だったような気がします。

それと道中の出会いは素敵だなーと本当に思います。世の中きっと、困った人を助けられる人はちゃんと存在するのだと思う。愛媛でも神戸でも東京でも。所々イスがいじられるのはかわいかったー。子どもたちとイスのやりとりとか。高性能AIって。あと食事が軒並み美味しそう。車の中でのマックも美味しそうすぎて、マックのPR効果的。

叔母からすれば、すずめの行動は放っておけないものだし、心配になるのはそうなんだけど。でもまあ、高校生くらいになれば親に言いたくないことや言えないことってたくさんあるはずで。それがこんなに壮大なものじゃないとしても。

新神戸御茶ノ水駅付近もリアルすぎるのですよ。四谷のあたりが近いし総武線だし、瀧くん探してしまうじゃないの。さすがというか東京に詳しい草太さん。イス。

そして芹澤さん!なんですのこの聖人。あの見た目で車は足立ナンバーって。友人が試験会場にいないから様子見に来て、よく分かんないけど東北まで7時間車出してくれる。多分草太さんの閉じ師の仕事も詮索しないでくれてたんじゃないかな。

旅立ちに猫がいたら、それは間違いなく「ルージュの伝言」。間違いない。でも音楽昭和がすぎるでしょう。登場人物だと叔母さんがギリ昭和?

雨宿りの道の駅では、サダイジンの影響?もあって激しい口論になって、言わなくてもいいことまで言ってしまう二人。その後、自分の発言を自分で認めて、その上で「思いはそれだけじゃない」って言うのは素敵だな、と。姪の世話をすることで色々な自由が犠牲になったのは間違いないのだし。でも、だからこそ得られた素敵なこともたくさんあるわけで。例えば成長を一番近くで見られるとか。

そしてすずめは目的地にたどり着きます。2011年のあの日、私がいた場所もすっごく揺れた。その後の混乱や映像や写真を忘れることはないだろうけど。ラッキーだったのだと。

あの日以降の塗り潰された絵日記。扉を見つけて少しだけでも取り戻せたこと。イスが助けてくれること。過去の自分に伝えたかったこと。過去の自分からもらったこと。この先一人じゃないって伝えたこと、一人じゃないと改めて思えたこと。泣きます。

そのままになってしまった「行ってきます」と「行ってらっしゃい」。いつそのままになってもいいように。「行ってきます」さえないようなそのままにならないように。朝、玄関を出てゆくのです。